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【技術論2】凸版印刷 第2回「文化遺産を対象としたバーチャルリアリティ」

講師:凸版印刷株式会社 山崎千代乃氏

■第2回講師

第2回講師は、山崎千代乃さん(文化事業推進本部)です。ミュージアム情報をデジタル化するデジタルアーカイブ(Digital+archives)の仕事に携わっている方です。デジタルデータとして保存・管理することにより、文化資源の修復、公開やネットサービスへの活用に役立つそうです。


■第2回講義 「バーチャルリアリティ表現と文化遺産」

凸版印刷の第2回講義は「バーチャルリアリティ表現と文化遺産」です。

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なんと今回は、トッパン小石川ビルに行ってVRシアターを実際に見学してきました。また、講義では以下の3点について話して頂きました。
1.VR(バーチャルリアリティ)について
2.デジタルアーカイブについて
3.凸版印刷の取り組みについて(VRシアター見学)

■VRについて

VRの定義は様々あり、2つほど紹介して頂きました。
継承米語辞典や日本バーチャルリアリティ学会の定義は「見かけや形は現実そのものではないが、本質的にあるいは効果としては現実であり現物であること」だそうです。。。分かり難い!IT用語辞典の定義では「コンピュータグラフィクス(CG)や音響効果などを組み合わせ、人工的に現実感を作り出す技術」だそうです。

私達がVRと聞くと、映画に使われているCGで作られたリアルな映像を思い描きがちですが、それはVRの技術の「仮想空間」という要素に過ぎず、他に「対話性」、「没入感」といった要素も必要だと凸版では考えているそうです。
【参考】凸版印刷の事例(スペースシミュレータ、紫禁城・天子の宮殿など)

実際にVR技術はシミュレーション、エンターテイメント、教育・デジタルアーカイブといった分野で活用されています。
これもシミュレーションの技術の一部です。


■デジタルアーカイブについて

VR技術の活用分野の1つで、山崎さんが携わっている、デジタルアーカイブについて話していただきました。
デジタルアーカイブの目的は、主に保存、研究(比較、分析)、公開の3つに分けられるそうです。具体的には、保存し管理することで収蔵品の劣化対策、文化財修復時の情報などとして役立つそうです。また、情報解析や学術研究のために保存したコンテンツを共有し、デジタルメディアとして公開し教育、観光、情報交流、メディア展開などに役立つそうです。

私達、ユーザに対してのメリットとして、普段は地下に埋もれ見ることができない遺跡や行くことが困難な場所・空間に、実際に行って目にしてきたかのような体験ができることが挙げられると思います。

観光客の多い場所はゆっくり見られなかったり、見づらかったりするので、デジタルアーカイブ技術が進展し身近になってくれると良いと思います。また、海外に行くお金がない学生にはもってこいです!


■凸版印刷の取り組みについて(VRシアター見学)

デジタルアーカイブを含んだ「トッパンVRシステム」について紹介していただきました。
そして、VRシアターを見学させていただきました。
このような施設で、一般に公開しています!

この印刷博物館には、他にも様々な展示がしてあるのでオススメです。そしてお隣にはトッパンホールがあって私たちがいったときにはピアノコンサートも行われていました。

大画面のカーブ型スクリーン(半径8m、視野角120度、高さ4m)がスゴイ!一度は体験するべきです。視野が全てスクリーンになるため、あたかもそこにいるかのような臨場感(没入感)を得ます。
このスクリーンでバチカンのシスティーナ礼拝堂の壁画「最後の審判」のVRコンテンツを見せて頂きました。天井の壁画でも、じっくり細かく見ることができ便利さを実感できました。また、コントローラを操作するとVR空間内の視点が変えられるため、作品をいろんな角度・現実では見られない角度から見ることができ芸術好きにはたまらないと思いました。

唐招提寺のVRコンテンツも見せて頂き、普通は見ることができない屋根のオブジェクトや、屋根から内部に入るイメージを見させていただきました。
実際に行かなくても、それに近い、実際に行ってもできない貴重な体験が出来て大変参考になりました。
さらに、このような技術が発展していくと、どのようなことが可能になるか、考えるとワクワクします。美ら海水族館の巨大水槽ぐらい人気になるか!?

(2008.7.8 担当:北川)

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