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  ■FMEAとは
FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
 人間が何か作業をする以上、ヒューマンエラーは必ず発生する。しかし、そのすべてに対策案を考えるのは適当でない。多く存在するエラーの中でも、それぞれ影響度が異なるからである。重要なのは、 発生頻度が高く、影響度の大きいエラーに対する対策を講じることである。
 トラブルの未然防止を検討するのに有効なツールとしてFMEA(Failure Modes and Effects Analysis)がある。FMEAとは、事前に予想されるあらゆる 故障、エラーを列挙し、その中から周囲への影響度の高い故障・エラーを抽出し、事前に対策を講じるための信頼性解析の手法である。実際にFMEAは、潜在的故障や 潜在的得たーの早期発見と未然防止のために幅広く利用されている(下図参照)。

  FMEAが効果的であることは、多く存在するエラーの中でも実は 重要度の高いエラーはそれほど多くなく、それらを重点的に対策すればエラーの大半が防止できるという経験則に裏付けられている。簡単な対策から講じよう、出来るところから対策しようとするとそれほど重要でないエラーに対する対策のみが選ばれ、本来真っ先に対策を取るべき重要なエラーが放置されて残ってしまうということが少なくない。そのような誤りを防ぎ、効率よく対策を講じようとする手法であり、見落としがちなエラーを発見する効果は大きい。
 医療分野においてもFMEAを用いて医療活動の中で発生するトラブル原因を網羅し、影響の高い原因に絞り込み、それらを重点的に対策することで効果的な医療事故防止活動に役立つことが期待されている。実際、アメリカではHFMEAとして医療用に改良され、広く利用され始めている。

■FMEAの手順
1.作業 プロセスの分析
 FMEAの対象は、製品、設備、作業など様々であるが、ここでは作業を対象とするFMEAに焦点を絞る。今現在行っている作業手順が ヒューマンエラーの防止の点から最適とは限らない。FMEAの最初のステップは、現在行っている作業手順を分析することである。この目的は、次のステップであるエラ の列挙を容易にするためである。 なお、場合によっては人によって作業手順が異なっている場合も多い。手順が異なれば起こりえるエラーも当然変わってくる。このため、ヒューマンエラーの防止を効果的に行うためには、作業手順を標準化(統一)することが必要である。作業プロセスの分析のもう一つの目的は、このような 作業手順の標準化を促進することである。

2.エラーモードに基づく起こりえるエラーの列挙
 エラーとは標準として定められている作業手順からの逸脱である。調剤業務であれば「薬品の取り間違い」「処方せんのミスの見逃し」などが挙げられる。このステップでは、 作業プロセスの分析を通して明らかとなったサブプロセスごとに起こりえるエラーを列挙する。抜け落ちなく列挙することが重要であ り、「エラーモード」を活用しながら行うのがよい。エラーモードとは、過去に発生した様々なエラーを分類・整理し、少数の典型的なタイプに分類したものである。過去に発生した様々なエラーを集めるに当たっては

1. 失敗経験(ヒヤリハットなど)
2. 他薬局等での事故情報

などを活用するとよい。

3.影響評価
 列挙された各エラーに対して、それが引き起こす影響の評価を行い、重点化するべきエラーを明確にするステップである。影響評価としては

1. 発生頻度(エラーがどのくらい頻繁に発生するか)
2. 影響度(最終的に患者にどのような影響を与えるか)
3. 検知難易度(途中で発見できるか)


の3項目を使う。各項目は4〜5段階の点数で評価する。各評価項目の値を定めた後、それらを掛け合わせて総合評価の値、すなわち重要度を求める。


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