研究紹介

ビッグデータという言葉に代表されるように、最近では社会のさまざまなデータを分析する上で、統計学の役割が非常に大きくなっています。

私たちの統計データ解析研究室では、実際のデータを使い統計学的な分析を行っています。それらをもとに誰でも容易に扱うことのできる、統計分析のツールを開発することを目標としています。私たちの社会生活や地震などの自然災害、さまざまな製品の品質管理にいたるまで多種多様なデータを扱っています。統計的な分析方法の応用範囲は非常に幅広く、興味深い学問といえます。

ドップラーセンサを用いた見守りに関する研究

ドップラーセンサ

ドップラー効果を利用したマイクロ波電波センサによる「見守りシステム」の研究をしています。近年、少子高齢化にともない、見守りやセキュリティ分野への関心が高まっています。微細な動きも検知するセンサを用いて、人の様々な動作に対して推定や検知を行っています。

研究例

  1. 呼吸・心拍の推定
  2. 歩容解析
  3. 転倒検知

小型センサを用いた
人の行動・状態認識に関する研究

医療の現場やスポーツ工学などの分野向けに、人の行動や状態を認識するシステムの開発を行っています。最近ではスマートフォンなどにも搭載されている「加速度・角速度センサ」を使用して、認識が難しいと言われている複雑な動作の認識に焦点を当てており、下の図のようにトレーニングマシンを使った運動の判別をしています。

加速度・角速度センサの信号から行動を判別する

歩行解析に関する研究

スポーツなどの分野で利用可能な映像データを用いた歩行解析を行っています。

シルエット輪郭画像の処理

主に下の写真のように、正面から接近してくる画像に焦点を当て、この動画像から対象者の歩行の特性を推定する技術の研究を行っています。

実験風景

スポーツアナリティクス

サッカーや野球など実際の試合のデータを基に、戦略や意思決定に関連する得失点の要因の分析を行っています。毎年行われる、スポーツデータ解析コンペティションにも積極的に参加しています。

位置推定技術に関する研究

イメージ図

建物の中などの屋内にいる人が、現在どこにいるのかを推定する位置推定に関する研究を行っています。

推定

屋外での位置推定に対して屋内では、障害物が多い・電波干渉を受けやすいなどの理由から推定が難しいとされていますが、位置情報の活用はIoTに関連して注目されており、非常に需要のある研究です。

災害の統計モデル

過去の地震や津波・土砂崩れなどといった自然災害のデータや地理的なデータを利用して、災害の予測や地域ごとの危険度の評価などを目標に統計学的な目線から解析を行っています。

シミュレーション図

例えば、凸包と呼ばれる形状解析の手法の一般化を用いることで、多くの物理的制約や大規模な実験装置を必要としない新しいシミュレーションを実現しています。

また、標高データを利用し、山岳地帯における尾根線・谷線の検出や解析を行っています。これらの稜線は、土砂崩れや洪水等の災害と非常に関係があることから、検出を行い土砂崩れの被害の予測・検知を試みています。

その他の主な研究テーマ