鎌倉研究室との出会いときっかけ

――研究室の雰囲気、先生の人柄、全てが私にとって好印象だった。

私は大学時代、東京理科大学経営工学科の統計関連の研究室に在籍していました。当初はそのまま同じ研究室で進学を考えていましたが、研究室の修士学生の募集定員が少なかったため、不測の事態に備え、他の研究室探しをしていました。

その際に、出会ったのが鎌倉研究室でした 。鎌倉研究室とはどんな研究室か、鎌倉先生とはどんな先生か、そんなことを知るためアポイントをとり、恐る恐る研究室訪問しました。訪問当日、貴重なお時間を頂いた先生に失礼をかけまいと、私は緊張した面持ちで準備してきた定型的な質問を一つ一つまじめに訊いていたところ、
「とにかく、君の要望は応えられるから、良いからうちにおいでよ。国際学会も行けばよい。僕だけじゃなく、いろんな先生に習えるから何とかなる。」
と研究室の魅力や雰囲気について饒舌に先生の口から語っていただきました。なお、「国際学会」や「いろんな先生に習える」というフレーズに対して、話を聞いたそのときは半信半疑でしたが、後にそれはまさに事実だということを身をもって体験しました。受験するかどうかも決まっていない他大学の学生に対して研究室の魅力を語って、勧誘するような先生は、他にはなかなかいないのではないかと思います。私は、そのとき感じた研究室の雰囲気、先生の人柄、全てが私にとって好印象だったため入学を決めました。

研究内容について

――国際学会での発表、コンペでの最優秀賞を受賞

私は大きく分けて2つのメインテーマを持っていました。1つは医学統計に関するテーマで、もう1つはスポーツ統計に関するテーマです。補足ですが、鎌倉先生は「複数のテーマ(タスク)を持つべし」というスタンスを持っており、私を含め多くの同士が、それを実践していたと思います。

前者のテーマは、修士1年のデータ科学副専攻(現在はデータ科学・アクチュアリー副専攻に改称)を履修した時に主査としてお世話になった中村剛先生から助言を頂き、研究を行っていました。中村先生の居室に訪問し、マンツーマンの講義もしていただきました。医学データの解析において重要な統計手法の基礎を私に叩き込んでくれたと思います。そして、修士2年の夏には、IBC(国際計量生物学会会議)で発表することもできました。

後者のテーマは、スポーツデータ解析コンペティションでの発表(毎年12月)を目標にし、研究を行っていました。研究室の有志メンバーでチームを組み、貸与されたスポーツデータを探索的に解析して、新たな知見を探る作業の毎日でした。当時の鎌倉研の助教の小椋透先生からも大いなるサポート頂いたお陰もあり、修士1年の初参加の際にはコンペティションにて最優秀賞を受賞することもできました。

鎌倉研究室を希望される皆様へ

――幅広く学び、積極的に学会発表を

私は鎌倉先生の下で研究ができ、大変幸せだったと今でも感じています。なぜなら、先生は学生を信頼していたため、私に対しても裁量権を大いに与えてくれたからです。それゆえ、他の先生からのアドバイスも受けやすい環境になり、私のやりたいことを自由に幅広く学習することできました。

また、鎌倉先生は学生の学会への参加も非常に積極的で、私が発表したいと相談するといつも快く受け入れてくださったと思います。お陰で、2年間の鎌倉研究室生活の中で、4度の学会発表と2回のコンペティション発表を経験させていただきました。

ぜひ鎌倉研究室に入ったからには、鎌倉先生のみならず、いろんな先生やいろんな先輩からさまざまなことを学習し、学んだことは積極的に学会発表して、さまざまな経験を積んでもらいたいと思います。

最後に

――コミュニケーションをうまくやるものこそ、研究や仕事がうまく進み、成長する

私は、修士1年の夏休みくらいまでは右も左も分からず、何をやってよいのかさっぱりでした。また、研究室にもうまく溶け込めておらず、モチベーションも低かったと思います。そのときに変化のきっかけなったのが、研究室のメンバーや先生とのコミュニケーションでした。

鎌倉研究室に入ったからには、ぜひ研究室内で大いにコミュニケーションをとってください。はじめは、統計に関する話でなくても全然構わないと思います。おそらく、きっとそれが研究へのモチベーションにもつながると私は思います。

実は、このコミュニケーション、現在の私の業務において、最も大切していることの一つです。いろんな方とこまめなコミュニケーションをとり、相互理解をし、良好な関係を作っておくことは、大事だと今でもひしひしと感じます。その根拠は2つあります。1つは、自分が難しい問題に直面したとき、周りにすぐ相談ができ、議論してよりすばやく的確な答えを出すことができること。 もう1つは、人からも相談を受ける機会が増え、そこでリサーチクエスチョンがもらえ、結果的に成長に繋がるからです。
コミュニケーションをうまくやるものこそ、研究や仕事がうまく進み、成長すると私は思ってます。