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経営システム工学科 推薦図書

 以下の図書は、経営システム工学とは何か、何を目指しているのかということを知りたいと考えている人に、われわれ経営システム工学科の教員が推薦するものです。多少難しいものもありますが、経営システム工学を本格的に学ぶ上できっと役に立つと思います。興味が持てるものを探して是非一度読んでみて下さい。

[1] 司馬遼太郎著、「項羽と劉邦(上)(中)(下)」、新潮社(新潮文庫)(700円,620円,620円)

推薦のことば:
 組織を動かしていくリーダーについて、リーダーシップとは、人を引きつける人望とは何かを、中国最初の統一法治国家である秦帝国が滅亡した後漢帝国が成立するまでを通して記述している好著です。経営において重要な組織を作り、動かしていくための数多くのヒントが得られます。
(信頼性工学研究室 教授 宮村鐵夫)

[2] 柳田邦男著、「航空事故」、中央公論社(中公新書690)(699円)

推薦のことば:
 航空輸送などのシステムの安全性・信頼性を確保する上では、機械の欠陥やそれを操作する人のミスをいかに防止するかが重要となります。本書は世界各国で起こった航空機事故を「欠陥」、「ミス」、「空中衝突」の3つの面から丹念に追ってその真相を紹介し、技術の盲点とそれを補う組織的な活動の重要性について多くの重要な示唆を与えてくれます。
(品質環境マネジメント研究室 教授 中條武志)

[3] 石川馨著、「日本的品質管理」、日科技連出版社 (2,310円)

推薦のことば:
 自動車などをはじめとする日本の工業製品が競争力を持ち、世界中に輸出されるようになった要因の一つは、日本的品質管理です。これは、企業のトップをはじめとする全員が、顧客の満足を第一に考え、改善を繰り返す活動です。この活動は、現在では、製造業だけでなく、建設、流通、サービス、情報、行政、金融などで広く実践されています。本書は、日本的品質管理のパイオニア的な存在である著者が、30年余りの経験に基づいてその真髄について語っています。
(品質環境マネジメント研究室 教授 中條武志)

[4] 野中郁次郎・竹内弘高著/梅本勝博訳、「知識創造企業」、東洋経済新報社  (2,100円)

推薦の言葉:
 1980年代の日本企業の隆盛は欧米人にとって驚異であり、不可思議な存在でした。本書では、日本の代表的な自動車や家電メーカーなどが国際社会で成功した理由を「組織的知識創造」という側面から分析し、企業組織における新しい知識の捉え方や考え方を提示しています。近年、学術界でも実業界でも「ナレッジマネジメント」が注目を集めていますが、そのきっかけとなったのが本書です。
(情報価値工学研究室 教授 庄司裕子)

[5] 寺田寅彦著/小宮豊隆編集、「寺田寅彦随筆集 (第2巻)」、岩波書店(岩波文庫)(693円)

推薦のことば:
 寺田寅彦随筆集は岩波文庫より全5冊出版されています。タイトルの通り随筆ですから気軽に読めると思いますが、身の回りの平凡な日常における出来事の中に科学的なものの見方がちりばめられています。2巻の表紙には、「子猫」より、次のような引用がなされています。「私は猫に対して感ずるような純粋なあたたかい愛情を人間に対していだく事のできないのを残念に思う。そういう事が可能になるためには私は人間より一段高い存在になる必要があるかもしれない。それはとてもできそうもないし、かりにできたとした時に私はおそらく超人の孤独と悲哀を感じなければなるまい。」 1947年に初版が出ていますのでもう古いと思われるかもしれませんが、21世紀に生きる我々が読んでみても共感するところが多くあります。「電車の混雑について」、「比較言語学における統計的方法の可能性について」というような、みなさんが大学入学後に学ぶ統計的方法についての記述もありますので是非読んでみてください。
(統計学・データ解析研究室 教授 鎌倉稔成)

[6] ダレル・ハフ 著/高木秀玄訳、「統計でウソをつく法」、講談社(ブルーバックスB120)(924円)

推薦のことば:
 現代人にとって統計の知識は読み書きの能力と同じように重要です。経営システム工学科にも統計に関連した科目がいくつもあります。サブタイトルに「数式を使わない統計学入門」とあるとおり、楽しみながら統計の考え方が身に付きます。
(ソフトコンピューティング・統計科学研究室 教授 渡辺則生)

[7] 川喜田二郎著、「発想法」、中央公論社(中公新書136) (693円)

推薦のことば:
 製品に対する消費者のニーズや組織における問題点などは、まず、“言葉”という表現手段を介して認識されます。経営システム工学では、このような数値として表されていないデータからその背後にある法則性・本質を発見することが求められる場面が少なくありません。本書には、文化人類学者である著者が長年の経験から「書斎科学」や「実験科学」を補完する「野外科学」の方法論として生み出したKJ法のエッセンスがつまっています。
(品質環境マネジメント研究室 教授 中條武志)

[8] ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン著/馬渕邦美監修/小林啓倫訳、「データ・サイエンティストに学ぶ分析力-ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ」、日経BP社 (2,100円)

推薦のことば:
 経営システム工学科で学ぶことが社会でどのように役に立つのでしょうか? その一つが、企業などの組織体の情報や資金の流れを整理・分析し、次の意思決定に結び付ける素養が身につくことです。こうした能力にはデータに対する洞察力、ビジネスの理解、コンピュータを操る技術が必要です。本書は、組織の意思決定に対してデータをどのように活用していくか、またそこからいかに知見に結び付く情報を引き出し、次の戦略に活かしていくかについて丁寧にまとめられています。本書の原著のタイトルは“Sexy Little Number”。2013年現在、ビッグデータという言葉がよく登場しますが、実はどの企業も小規模かもしれませんが、手元には魅力あるデータをすでに持っています。まずはそのデータをいかに活用していくか!が重要です。
(マーケティング・サイエンス研究室 教授 生田目崇)

[9] 佐伯胖著、「きめ方の論理―社会的決定理論への招待」、東京大学出版会(2,625円)

推薦の言葉:
 集団の意思決定において当り前のように用いられる「多数決」などの方法が、どのようなパラドックスを抱えているのかについて例を交えて紹介するとともに、その改善への議論がなされます。主に「社会的選択」として知られる数理経済学の問題を扱った本ですが、社会で何気なく用いられている方法に対して、健全なる疑念を抱くことを教えてくれる一冊です。
(応用最適化研究室 准教授 後藤順哉)

[10] ジェイムズ・グリック著/上田監訳/大貫昌子訳、「カオス」、新潮社(新潮文庫ク-18-1) (857円)

推薦のことば:
 単純なメカニズムに従っているにもかかわらず複雑な振る舞いをするような現象がカオスです。経済、気象、電気など様々な分野で観測されます。カオスとはなにかについてわかりやすく説明されており、また新しい科学が生まれる様子が生き生きと描かれています。
(ソフトコンピューティング・統計科学研究室 教授 渡辺則生)

[11] ミッチェル・ワールドロップ著/田中三彦・遠山峻征訳、「複雑系」、新潮社(新潮文庫) (933円)

推薦のことば:
 「系」とは「システム」のことです。従来の科学のアプローチではうまく扱うことのできなかった複雑なシステムを探求しようというのが「複雑系」です。従来の枠組みを越えた新しい科学を創ろうとする研究者たちが描かれており、小説を読むような興奮が味わえます。
(ソフトコンピューティング・統計科学研究室 教授 渡辺則生)

[12] 安田浩・情報処理学会編、「爆発するインターネット」、オーム社 (2,310円)

推薦のことば:
 「インターネット」は今や技術の言葉ではなく、日常の言葉になってきました。でも「インターネットって実は何のことなの?インターネットってページを見ること? なぜインターネットがビジネスと関係があるの?インターネットはどんなところで私たちの生活に役立っているの?」こういった問いかけに正確に答えられる人は、実は多くはありません。本書は、情報通信技術としてのインターネット技術の紹介だけではなく、歴史、私たちの生活とのかかわり、産業における役割、将来の姿を、各分野の専門家がわかりやすく解説してくれています。
(ヒューマンメディア工学研究室 教授 加藤俊一)

[13] 橋本周司監修/庄司裕子著、「遊びとおしゃれとヒューマンメディア」、トッパン(1400円)

推薦のことば:
 「マルチメディア」を超えた新しいメディアの考え方、それがヒューマンメディアです。とっつきが悪くて頭の固いコンピュータを、人間にやさしい心の通じるパートナーにするためには、どんな技術があればいいのでしょうか?表題からもわかるように、本書は、難しい技術用語満載の「専門書」や、表面的なトレンドだけを紹介した「オヤジ本」でもありません。情報化社会をささえる情報技術の中で、「感性」をどのように位置付けるのか?人間にやさしい情報環境を作るためには、「感性」がどのような役割を果たすのか?直感的でやわらかいタッチで紹介してくれています。
(ヒューマンメディア工学研究室 教授 加藤俊一)

[14] 鈴木邁監修/大沢光編、「感性工学と情報社会」、森北出版 (2400円)

推薦のことば:
 誰もがもっているのに、なんとなくとらえどころのない「感性」。人間の「感性」とは何なのか?「感性」を高度情報化社会にどのように生かせばよいのか? 本書には、少し専門用語も出てきますが、「感性」を解明し私たちの生活・産業・社会に役立てようと、日々、「感性」に立ち向かっている専門家の皆さんが、熱く語りかけています。
(ヒューマンメディア工学研究室 教授 加藤俊一)

[15] 大澤幸生監修、「チャンス発見の情報技術-ポストデータマイニング時代の意思決定支援」、東京電機大学出版局(4,830円)

推薦の言葉:
 チャンス発見とは、意思決定に重要な影響を与える可能性のあるイベントや状況を未然に発見し、それを理解して行動に結びつける一連のプロセスです。本書では、チャンス発見の概念、社会的および学術的なニーズ、方法論や支援ツール、応用事例などについて説明しています。大規模複雑化し、迅速な意思決定が必要であるが困難でもある世の中において、本書は重要な示唆を与えてくれます。
(情報価値工学研究室 教授 庄司裕子)

[16] 人工知能学会編集/藤本和則編著、「知の科学 意思決定支援とネットビジネス」、オーム社(3,465円)

推薦の言葉:
 本書は、新しい時代に対応する「人工知能」に関連する技術、学術の知識をまとめた「知の科学シリーズ」の一冊です。本書では、まず前半で、インターネット上のサービスの革新に向けて、ネットユーザの意思決定支援という観点から、最新の人工知能技術について解説しています。また、本書の後半では、人工知能技術を事業化するという立場から、現実のビジネスプロセスを観察したり、新しい技術に市場価値を見いだす過程について解説しています。したがって、技術系研究についての参考書であると同時に、実務家にとっても役立つ書籍です。
(情報価値工学研究室 教授 庄司裕子)

[17] 松沢哲郎著、「チンパンジーの心」、岩波書店(岩波現代文庫 学術21) (1,100円)

推薦のことば:
 ことばを覚えたチンパンジー、アイ。最もヒトに近いチンパンジーの研究を通して人間を見つめ直す「比較認知科学」。その研究方法にも独創性が溢れています。著者が自らの歩みを振り返って言う『山は自分の足でしか登れない。どの山を登るのかは、自分の眼で探すしかない。おなじように、何をどのように研究するかは、自分の眼で探し、自分の手でつかまえなければならない。』は、これから大学で学ぶ君たちへのメッセージです。
(知能システム工学研究室 教授 坂根茂幸)

[18] 瀬名秀明著、「ロボット21世紀」、文藝春秋(文春新書) (903円)

推薦のことば:
 ロボット大国といわれる日本。二足歩行ロボットやペットロボット、様々なロボットをマスコミが取りあげる機会も増えています。ロボットの利用は、従来の工場で人間に替わる機械という役割から、家庭・病院など様々な場面へと広がろうとしています。研究者達がロボットとその未来をどのように考えているのかを、インタビューを重ねて描いています。著者は、「パラサイト・イブ」などでも知られる理系出身の作家です。
(知能システム工学研究室 教授 坂根茂幸)

[19] 溝上慎一著、「大学生の学び・入門-大学での勉強は役に立つ!」、有斐閣 (1,785円)

推薦のことば:
 大学に入って素直に「大学の勉強は面白い!」と思えれば大変幸せです。しかし、多くの学生の皆さんは、高校までの勉強の仕方の違いに戸惑い、大学での勉強が将来、自分の人生においてどのように活きていくのかについて疑問に思うのではないでしょうか? 本書では、大学での勉強の意義とどのように実践していけばいいのかについてまとめられています。第3章、第4章のタイトル「大学での勉強は役に立つ」の通り、みなさんのこれからの学生生活の充実のため、また将来、社会で大きく羽ばたく礎づくりのために、大学での勉強をどのように考えるべきかについて整理できる一冊です。
(マーケティング・サイエンス研究室 教授 生田目崇)

[20] 木下是雄著、「理科系の作文技術」、中央公論社(中公新書624) (735円)

推薦のことば:
 論文・レポート・手紙などの書き方が具体的に述べられています。明快で簡潔な表現を追求しているこの本は、理科系の学生・研究者・技術者の必読の書といってもよいでしょう。文系の人にも勧められます。レポートや卒論を書くときにはぜひ参考にしてください。
(ソフトコンピューティング・統計科学研究室 教授 渡辺則生)

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